太郎木工

太郎木工ブログ

明治時代の呼び鈴

昨日は地元の大工さんに連れられ、文京区へ現調に行って来ました。
東京大学本郷キャンパスのすぐそばで、周りに家々が建て込んでいる
細い路地の突きあたりにある古い建物が現場でした。
大工さんの話では、築50年以上なのだとか・・・
今はお婆さんが2人で暮らしていて台所の改修をするのだそうです。
私は台所と居間を隔てる引き違いの建具を製作することになりました。

家の中の柱や壁、電気のスイッチなども当時のままで、中々の佇まいです。
そして採寸を進めていると気になる物が・・・

130205-2.jpg

これです。もう動きませんが古い呼び鈴。
聞くともう要らないので捨てて良いとお施主さんに言われているそうで、
大工さんも要らないとの事だったので、頂いて来ました。
(貰ってどうするのか?と聞かれても困るのですが・・・)

130205-3.jpg

裏に貼ってあった紙には、来歴が記されていて
「明治27年衆議院選挙の前、旧屋
玄関、西洋館より台所にひく呼び鈴に
用い、明治30年の改築の時取り外す。
再使用は昭和40年41年まで現住所で
玄関台所までの呼び鈴として使いたるもの」
とあります。
調べてみたら明治27年の選挙って、大日本帝国第一回目の衆議院選挙だったそうです。
凄いですね・・・どうにか修理して使えないものか?

最近の工房便り

バックナンバー